第12回は、“低温やけど”に関する“へぇ~”をお届けします。

低温やけどとは・・

低温やけどは、短時間の接触では問題とならない程度の温度の熱源が、長時間にわたって接触部に作用することにより起こるやけどです。44℃で6時間ほど続けて刺激を受けると、軟膏治療では治らないほどの深いやけどを起こすと言われています。

低温やけどを起こす原因は何があるの?

冬場の寒い時期に使用頻度が増える、湯たんぽ、こたつ、あんか、電気毛布、カイロ、ファンヒーター等の暖房器具や、携帯電話の充電器、保温機能付き便座、岩盤浴やサウナなどでも報告されています。

どんな人が低温やけどを起こしやすいの?

危険を察知する能力が低い高齢者や乳幼児、糖尿病などの病気によって知覚障害がある方、飲酒や睡眠導入薬服用により熟睡している方などは熱刺激に気づきにくいため、また、動脈硬化などによる循環障害がある方は熱を逃すための血流が少ないので、低温やけどを起こしやすくなります。

低温やけどの症状は?

火やお湯などによるやけどと違い、水ぶくれを起こしにくく、何か赤くなっている、何となくひりひりする、何となく痒いなど、表から見ると軽い症状なのかなと受け取られるパターンが多いです。が、その時はすでに深いところまでやけどが進行していることが多く、時間が経つにつれて深くまで傷んだ部分がはっきりしてきて、皮膚潰瘍を作ったり細菌感染を起こしたりします。

低温やけどの治療は?

治療は火やお湯などによるやけどの治療に準じます。

病院にいつ行けばいいの?行くまではどうすればいいの?

暖房器具を使用していた、何か温かいものを触れていたなど、低温やけどを少しでも疑った場合は、すぐ受診してください。痛がっていなくてもやけどが深くまで及んでいることがあるので、受傷部位を冷やしながら受診することをお勧めします。

低温やけどを予防するにはどうすればいいの?

暖房器具を使用する場合は、それほど熱いと感じなくても、同じ場所に長時間使用しないように気をつけましょう。また使用しているということを自覚しておく(=忘れない)ことが大事です。

やけどの痕って消えるの??

やけどに限らずケガ・傷全般に言えることですが、できるだけ早く治療を開始して少しでも早く治すことが痕を残さないことにつながります。また、傷が治った後のスキンケア(保湿すること!日焼けしないこと!)で傷痕の残り方は変わってきます。“大したことはなさそうだし・・痛くもないし・・”と自己判断せず、お気軽に皮膚科専門医にご相談ください。

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