第10回は、“みずいぼ”に関する“へぇ~”をお届けします.

第10回は、“みずいぼ”に関する“へぇ~”をお届けします.

<みずいぼとは・・>
 みずいぼとは、医学用語では“伝染性軟属腫”と言われ、伝染性軟属腫ウイルスが原因で起こる皮膚の感染症です。見た目が水のような光沢を帯びて見えるので“みずいぼ”と呼ばれています。おもに子供に見られる病気です。

<どこで感染してしまうの?>
 みずいぼの患者さんからの直接的な接触や、プール等でのビート板や浮き輪、タオルなどを介した間接的な接触で感染します。皮膚に症状が出るのは感染してから2~7週間後と言われています。一度病院を受診して全部みずいぼを取ってもらったのに、数日でまた出てきたという経験がある方もいるのではないでしょうか?それは受診した時にはまだ皮膚に症状が出ていなかった分の潜伏しているウイルスが顔を出したということです。

<みずいぼを見つけた!学校に行ってもいいの?>
 みずいぼを発症していても、学校・幼稚園・保育園等を休む必要はありません。

<みずいぼを見つけた!プールに入ってもいいの?>
 プールに入ること自体は構いません。が、皮膚の直接的な接触や、ビート板やタオルを介した間接的な接触で感染するので、プールに入る際は注意が必要です。水着やタオル、ビート板等を共用しないようにし、プールの後はシャワーでしっかり洗い流しましょう。また、みずいぼが露出しないようにラッシュガード等を使用し、直接的な接触を防ぎましょう。

<治療しないといけないの?お医者さんから放っといていいよと言われたのですが・・>
 みずいぼは放置しても自然に治りますが、治るのは“6ヶ月~5年後”と言われています。その間に自分の体にも広がりますし、他の人にもうつしてしまうことになります。また、みずいぼは通常は無症状ですが、炎症や周囲に湿疹化(モルスクム反応)を伴って痒くなることがあります。痒いから引っかきだすと自分の体にみずいぼをまき散らすことになり、また引っかいて傷ついた皮膚に他の感染症(とびひなど)を起こすこともあります。なのでみずいぼの数が少ないうちに治療した方が良いでしょう。

<どんな治療があるの?>
 みずいぼ専用のピンセットでみずいぼを摘まみ取る方法が一般的治療になります。摘除すれば、その日から普通に生活して支障ありません。水泳等も堂々と参加してもらって構いません。この治療では摘まみ取る際に痛みを伴うことが多いので、局所麻酔用テープを使用することがあります。局所麻酔用テープにより痛みを“和らげる”ことができます。が、魔法のテープではありませんので、完全に無痛になるかと聞かれると返事は「No」です。また、子供さんはそんなに痛みを感じなかったとしても、治療されるという行為に対してだけで怖がったり泣きわめいたりすることがあります(ていうかほとんどですかね・・・)。なので、「局所麻酔用テープを貼って処置をしたのに子供を泣かせた!」「麻酔が全然効いてないじゃん!」と訴えてくる(お怒りになる)親御さんをたま~にお見受けしますが、それは決して魔法のテープではないということをご理解いただきたいと思います。

<みずいぼを予防するためにはどうすればいいの?>
 直接的でも間接的でもとにかく接触が感染につながります。なので、衣類やタオルを共用しないようにしましょう。また、プールでは水着・タオル・ビート板・浮き輪等を共用しないようにしましょう。そして、適切なスキンケア(保湿)をすることが大事です。

<みずいぼをうつさないようにするにはどうすればいいの?>
 みずいぼのある箇所を衣服等で覆って、露出しないようにしましょう。また、みずいぼをかき壊さないようにしましょう。そして毎日しっかり入浴し、スキンケア(保湿)を徹底しましょう。

 みずいぼが増えてからの治療は、患者さん・医師ともに負担が大きくなります。もしかして・・と思う皮疹を一個でも見つけたら、お気軽に皮膚科専門医にご相談ください。