第二回は“みずむし”に関する“へぇ~”をお届けします.


<みずむしとは・・・>

みずむしは,皮膚や爪にカビ(真菌)が感染することで起こり,医学用語では白癬と言います.足に起こるイメージが強いですが,足に限らず全身の皮膚・粘膜・爪に起こります.“いんきんたむし”は陰部や臀部に生じたみずむし,“ぜにたむし”は体幹部・四肢に生じたみずむし,“しらくも”は頭皮に生じた水虫の俗称です.水虫は全身に起こりえますが,イメージ通り足に起こることが最も多く,日本人の5人に1人は水虫であると言われています.水虫は見た目の症状から,小水疱鱗屑型(小さな水ぶくれを作り,皮がむける),趾間型(足の指の間がふやけて皮がむける),角質増殖型(角層が厚くなり皮膚がゴワゴワし,皮がポロポロこぼれてくる)に分かれます.一般に小水疱鱗屑型,趾間型は皮膚の炎症が強く痒みが強いですが,角質増殖型は皮膚の炎症も弱く痒みも比較的少ないと言われています.つまり「痒くなければ水虫ではない」と言うのは間違いです.

 

<みずむしはどうやって感染するの?>

みずむしは皮膚糸状菌(白癬菌)が角層(皮膚の最も表の層=“あか”として剥げ落ちる層)の傷口から侵入し,角層内で増殖します.皮膚糸状菌は家庭内・公衆浴場・ジム・プール・飲食店など生活環境の至るところに存在しており,しかも一般的な靴下や衣服では皮膚糸状菌の付着を防ぐことはできません.しかし様々な場所で皮膚に菌が付着しても,角層内へ侵入する前の段階で菌を除去できれば感染は成立しません.皮膚に付着した皮膚糸状菌は大抵自然に脱落し,タオルで拭く,石鹸で洗うといった処置で容易に除去することができます.皮膚糸状菌が角層内へ侵入するには菌が付着してから少なくとも12時間以上はかかるので,家庭外で活動した日の夜に必ず風呂に入る習慣をつけておけば,感染をほぼ確実に予防できます.しかし逆に水虫を心配しすぎてナイロンタオルなどでゴシゴシ洗いすぎると,角層を傷つけてしまい,かえって皮膚糸状菌が感染しやすくなります.自分の車を洗うときに金たわしでゴシゴシ洗う人はいませんよね?.皮膚も優しく扱うことが大切です.また水虫はカビの感染症なので,高温多湿な環境下で皮膚糸状菌はどんどん増殖します.靴や靴下,パンツなどの下着は高温多湿な環境を作りやすいため,水虫が生じやすくなります.また同じ理由により,水虫は夏場に生じやすくなります.鹿児島は高温多湿な環境であり,水虫にとってはパラダイスなのです.

 

<みずむしの調べ方は?>

みずむしの検査には,皮疹の角層を採取して顕微鏡で直接皮膚糸状菌の存在を確認するKOH(苛性カリ)直接鏡検,その他に真菌培養などがあります.KOH直接鏡検は受診したその場で検査し,診断を確定することができるので,みずむしに関して最も頻繁にされる検査法です.

 

<みずむしの治療は?>

水虫の治療には,抗真菌剤の塗り薬・飲み薬があります.塗り薬に関しては約2週間塗れば皮膚症状は改善しますが,角層内の皮膚糸状菌はまだ残存しています.だからこの段階で治療を止めたらすぐ再発します.見た目が良くなっても根気強く最低一ヶ月は治療を続けることが必要です.飲み薬は主に爪水虫の場合に使われます.種類によって3~6ヶ月内服する治療となりますが,飲み合わせの悪い薬があったり,また肝臓に負担をかけやすい薬なので,みなさんが思うほど簡単に使用できる薬ではありません.

 

現在高温多湿な梅雨時期・夏季をむかえ,みずむしにとっては快適な環境が続きます.もしかしてと思う皮疹がある場合は,早い段階での皮膚科専門医への受診をお勧めします.当院へお気軽にご相談くださいませ.