第六回は“帯状疱疹”に関する“へぇ~”をお届けします.


<帯状疱疹とは・・・>
 帯状疱疹は,体の左右どちらかに,痛い水ぶくれや赤い斑点が帯のように一直線に出現する病気です.地方によっては“タイ”とか“タニ”と呼ばれているようです.50~70才代のかたや,病気などで免疫力や体力が弱った時に多く診られます.

<なんで帯状疱疹が出てくるの??>
 帯状疱疹を起こす原因は,水痘・帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルスのひとつ)の感染です.ヒトが初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると,“みずぼうそう”を発症します.ほとんどの方は幼少期のうちにみずぼうそうを経験していると思います.みずぼうそうが治って皮膚症状は改善しますが,一度感染した水痘・帯状疱疹ウイルスは,そのまま体内の神経節にずっと潜んでいるのです.潜んでいる間は体内の免疫(自衛隊)によってウイルスが悪さをしないよう監視されているのですが,年をとって体力が落ちてきたり,または病気にかかったりして免疫力が落ちた時に,今まで監視されていたウイルスが自由に動き出し,悪さをし始めるのです.これが帯状疱疹として皮膚に痛みを伴う水ぶくれや赤い斑点を呈します.神経節に潜んでいたウイルスが悪さをするので,潜んでいた神経に沿って症状が出てきます.そのため“帯状”に,そして“左右のどちらか”に出てくるのです.ヒトによってウイルスが潜む神経はちがってきますので,ヒトによっては左下肢に出たり,はたまた右胸~背部に出たり,左顔面~頭部に出たりと,様々なパターンがあるのです.たまに“帯状疱疹が一周したら死んでしまう”という田舎伝説!?がありますが,今までの説明でお分かりの通り一周することはありません.また,たまに神経への障害が大きかった場合などでは,皮膚は治っていても痛みだけが続いてしまうこともあります.これを帯状疱疹後神経痛と呼んでいます.

<帯状疱疹の検査は??>
 皮膚科医であれば,皮膚に出現した水疱を一部採取して,顕微鏡で診る(ツァンクテスト)ことで,ウイルス性巨細胞を直接確認して診断します.受診時にすぐできる検査なので,その場で帯状疱疹かどうか分かります.

<帯状疱疹の治療は??>
 抗ウイルス薬を投与して,水痘・帯状疱疹ウイルスが増えるのを抑え込む治療をします.症状の程度に応じて,内服・点滴・外用治療を行います.この薬は効果が出るのに2~3日かかるので,治療開始してしばらくは症状が悪くなることがあります.すぐに治らないからといってほかの病院を探すのではなく,根気よく治療を続けることが大事です.また,免疫力や体力が落ちているから起こる病気なので,帯状疱疹の治療中は特に安静・栄養摂取を心がけましょう.また,抗ウイルス薬は腎臓に負担をかけやすい薬になりますので,腎臓を守るために水分をしっかり摂取して,オシッコをしっかり出すことも大事になります.4~5日目ごろから水ぶくれや赤い斑点があったところに“かさぶた”がついてきます.これが皮膚が治ったサインになります.皮膚が治っても,そこの痛みだけが続くかたも見られます.その場合は,痛みに対する治療を進めていくことになります.具体的には痛み止めの内服・外用治療や,神経を保護する内服治療,神経の周りに直接局所麻酔薬を注射する神経ブロック,痛みを緩和する赤外線治療などを行います.治療内容によっては,皮膚科ではなく,痛みを専門にする麻酔科(ペインクリニック)で行う治療も含まれてきます.

 帯状疱疹の治療は多くの場合,皮膚科で始まります.皮膚が治っても痛みが続く際は,麻酔科(ペインクリニック)と協力して治療していきます.私は皮膚科専門医かつ麻酔科標榜医でもあるので,帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛に関してはどうぞお気軽に当院へご相談くださいませ.