第八回は、“チャドクガ皮膚炎(毛虫皮膚炎)”に関する“へぇ~”をお届けします.


<チャドクガとは・・・>
 チャドクガは九州・四国・本州に分布し、幼虫はツバキ科の植物(ツバキ、サザンカ、茶など)の葉を食べて育ち、幼虫は5~6月、8~9月に出現します。肉眼で見える長い毛に毒はなく、幼虫の黒い隆起した部位に群生している長さ0.1mmほどの毛に毒を持ちます。一匹の幼虫に約50万本もの毒針毛が群生しており、衣服や皮膚に触れると簡単に脱落します。肉眼ではほぼ見えないので、気づかないうちに皮膚に触れて刺さり皮膚炎を起こします。

<刺されたらどうなるの?>
 外来に来られるパターンとしては、庭仕事や植え込みでの作業後から痒くなってきた・・と訴える患者さんが多いです。そして毛虫に触れたことに気づいていない患者さんがほとんどです。主に首周囲や腕に激しい痒みを伴う赤色の丘疹や、蚊に刺された時のような膨れた皮疹(膨疹)が出てきて、痒い痒いと引っ掻いているうちにどんどん広がります。皮膚に出てくる症状は毒性分に対するアレルギー反応であり、毒針毛に触れてすぐ現れる膨疹と、数日してから現れる丘疹があります。

<治療はどうすればいいの?>
 ステロイド軟膏を塗ります。また、痒みが強い場合には抗アレルギー剤(痒み止め)を飲んだりします。だいたい一週間ほどで皆さん改善します。

<予防するにはどうすればいいの?>
 当たり前のことになりますが、ツバキやサザンカなどの木に近づかないことです。枝や葉に残っている脱皮殻には毒針毛が残っており、風で飛ばされる場合があるので、直接木や幼虫を触れなくても症状が出ることがあります。また、駆除の際には毒針毛が服に付かないように雨具などで防御することをお勧めします。服に付いた毒針毛は洗濯してもけっこう残ってしまうので、幼虫に触れたかもしれない服は別にして数回洗濯するほうがよいでしょう。

<どの毛虫も皮膚炎を起こすの?>
 蝶や蛾の仲間の幼虫で体に毛が生えているものを総じて毛虫と呼びますが、毒針毛を持つ毛虫はごく一部です。実際にはドクガ類、カレハガ類、イラガ類などの一部を除けば、ほとんどの毛虫はヒトにとっては無害と言われています。ただしそのような毛虫に刺された場合、毒がなくても針で刺された状態と同じなので、刺されたことに対する反応(刺激感など)は起こりえます。

 医者の中で一番虫や動物に詳しいのは皮膚科医です。チャドクガ(毛虫)に限らず、何かに刺されたり、刺された記憶はないが不安に感じた際は、お気軽に皮膚科専門医にご相談ください。