第七回は、“性感染症シリーズ”第一弾として“尖圭コンジローマ”に関する“へぇ~”をお届けします.


<性感染症とは・・・>
 性感染症とは、性行為もしくは性行為に類似する行為によってうつる感染症のことです。一言で性感染症といっても、原因となる細菌やウイルスなど病原体の種類によって多岐に渡りますので、皮膚・粘膜の症状も様々なパターンを呈します。また、感染してどのくらい時間が経っているかによって症状が変化します。患者さんにお話を伺う際、かなりプライベートな領域に踏み込んだ内容になりますので、なかなか“正直に”話されない患者さんも多く、皮膚科医にとってはある意味、診断・治療が難しい分野でもあります。

<性感染症かも・・と思ったら、何科の病院に行けばいいの??>
 一昔前まで、皮膚科と泌尿器科は“皮膚泌尿器科”というひとつの専門科でした。同じ科として扱われていた理由のひとつが“性感染症”を診る医師であることと言われています。性行為による感染症なので、自ずと発症部位は陰部や肛門周囲、口周囲などの皮膚・粘膜が多くなってきます。皮膚・粘膜の専門家である皮膚科、男性器・泌尿器の専門家である泌尿器科が性感染症に詳しいのはこれでお分かりいただけるかと思います。また、女性器に関しては産婦人科が専門になりますので、お悩みの際は皮膚科・泌尿器科・産婦人科にご相談ください。

<尖圭コンジローマとは・・・>
 尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)による性感染症です。主に性行為でうつるので、性的に活発な年代(10代後半から30才代)に多く発症します。また一方が感染している場合、性的パートナーも同時に感染していることが多いです。時折小児に発症することもありますが、その場合、性的虐待を受けたことによる感染や、分娩時の経産道的感染などが原因として考えられます。

<どんな症状が出るの??>
 男性の陰部(外尿道口、亀頭、包皮、陰茎など)、女性の陰部(大陰唇、小陰唇、膣、外尿道口など)、肛門周囲にイボのような表面がガサガサする小さな丘疹が多発します。時には大きくなってカリフラワー状に盛り上がることもあります。

<どんな検査をするの??>
 確定診断するためには、皮疹を切除して顕微鏡的に検査する病理組織検査を行いますが、実際は皮膚症状および問診でほぼ診断がつくことが多いので、その際は特に検査を要しません。

<どんな治療をするの??>
 以前は、一般のイボと同じ治療(液体窒素療法(イボ焼き)、電気凝固療法、レーザー療法など)が行われてきましたが、2007年より外用剤による治療(イミキモド)が保険適応となり、現在は症状に応じて治療を選択しております。

<一度かかったらその後どうなるの??>
 自然に治ってくる部分もある一方で、治療に反応せず再発を繰り返すことも多いです。1/4の症例は三か月以内に再発すると言われており、治ったと判断するには数か月再発がないことを確認する必要があります。命に係わってくる病気ではありませんが、異常に大きくなったり、硬いしこりを触れたり、出血を伴う場合などは免疫不全を引き起こす内臓疾患が隠れている可能性や悪性化(癌化)の危険性があるので注意を要します。

 どの病気にも言えることですが、早期発見・早期治療が大事です。一人で悩まず、お気軽に皮膚科専門医にご相談ください。